まだまだ、おこさまらんち

顔色が悪いだけの人生

「赤ちゃん返り」で旦那を動かすことのすゝめ

「赤ちゃん返り」、それは2人目を授かったお母さんたちが悩む大きな壁。

今まで世界の中心が自分だと思っていた子どもがその中心が弟や妹にズレていくことに耐えられず起こす行動を「赤ちゃん返り」と呼ぶ。

世間で赤ちゃん返りと呼ばれるものは「ご飯を一人で食べられなくなった」とか「突然赤ちゃんのようにアバアバ言い出した」など。

 

でもな、保育士は「赤ちゃん返り」の天才なんだよ。

そのへんの幼児よりもエクストリームな赤ちゃん返りをいつでも発動できるんだよ。

--

保育士をしていた3年間。およそ30人の乳幼児と関わった。

「どう大人を懲らしめてやろうか」ということで頭がいっぱいな2歳児の担任もした。

 

やつらはそのへんのヤンキーよりも恐ろしくお散歩中は「歩かない」と座り込み、放置するとこれでもかと泣き叫ぶ。

 

お腹が空いているはずなのに「絶対食べない」と頑なに口を閉じ「じゃあ、食べ終わるまでそこにいなさい」と言えば何時間も座っている。しかも気づくと寝てる。

 

何度「こいつら…」とイライラしたことだろう。

 

旦那は朝8時過ぎに出勤して残業して帰ってくる。でも、前職は時間が読めない特殊な仕事だった。

 

そんな結婚前、一緒にいる時間もマンネリ化して日に日に「こいつ私の扱い雑だな」と感じる時期があった。

 

ゲームをすれば何時間もかまってくれない、ゲームが終われば「疲れた」と言って布団に入る。

 

そこで閃いたのが「赤ちゃん返り」だった。

 

私にはやつらのデータ全てが頭に入っている。これは必殺技になるな!と保育士資格を取った自分をたくさん褒めた。

--

「なんとかしてこいつのことを困らせてやろう」頭のなかで当時担任していた子どもたち、どこの子を憑依させて戦うかを必死に考えた。

 

一人噛み癖のある子がいたので「とりあえず身体的ダメージだ」と思いゲームに集中している旦那の肩を思いっきり噛んでやった。

 

「いってぇえ!!え、なんで噛んだの?え?なに?」とパニクる旦那。

 

旦那の反応が予想以上にぐっとくるものがあったので、次はテレビの前に体操座りをして「ピューッと吹くジャガー」の1巻を読んだ。

 

「どいてよ…ねぇ…画面見れないとゲームできないんだけど」

 

シカトして3巻まで読んでやった。

 

「なんでなん!!」と私をどかそうとするのでその腕に噛み付いて歯型をつけた。

 

赤ちゃん返り作戦は最強だ。困惑した表情を見せる旦那がおもしろくて、仕事から帰ってくる旦那を玄関で大の字になって迎えたり、「甘いものが食べたいぃいい」と両手両足を全力でバタバタさせて叫んだり。

 

とにかく好き放題暴れることで得られるものは大きかった。

--

眠いときには眠いと暴れる。

お腹が空いたら食べたいものを叫びながら暴れる。

むかついたら全力で噛み付く。

 

「女は我慢してあとで爆発するからめんどくさい」と巷の男性は言うけれど、それはごもっともだと思う。

 

我慢していいことなんてない。

受け流そうとしてもできないことなんていくらでもある。

だからって後からそれを掘り起こして旦那に切れるのはナンセンスだ。

 

思ったことは"全力"で伝えないと、そう、"全力"で。