まだまだ、おこさまらんち

顔色が悪いだけの人生

ずっと誰かの1番になりたかった

「友だちが多いよね」って言われるのが本当にいやだった。

「浅いカンケイなんだね」って言われているようで。

だって、私はずっと誰かにとっての「1番」を求めてたから。

 

28歳だって「友だち」で悩む

今年で28歳になるけど、年齢問わず、人は「友人関係」に悩むもの。

最近、ようやくそんな自分を受け止められるようになった。

 

友人たちとの集いは、「彼氏がさ〜」、「この前の合コンでさ〜」なんて、恋愛関係についての愚痴、悩み、そしてノロケが飛び交うもの。

 

でも、私は目の前にある友人関係に頭を悩ませる。

 

「この子たちにとって私は何なんだろう」って。

 

一人遊びは完成すると悲しくなる

私は16歳まで一人っ子だった。

生まれてから16歳まで、学校から帰れば一人で遊んでいた。

 

幼稚園のときにピアース・ブロスナン主演の「007」をみてから、ボンド・ガールになるのが夢だった。

一人、広いリビングで自由画帳を開き、自分専用のツールを設計する。BMWの7シリーズを描いて、自分の好きな色に塗り、空を飛べる機能をつけた。

あと、大好きなマドレーヌちゃんを座らせる席もつけた。

 

完成しても見せる相手がいない。

製作中は楽しかったけど、完成すると「終わっちゃった…」と悲しい気持ちになった。

「ここに友だちがいたら違うのに」そんなことばかり考えていた。

 

自分の知らない「楽しい話」

両親がいない家に友だちは遊びにきてくれないし、許可がないと友だちの家に行けない。

 

仕事中の親に電話して許可を取るのが億劫だった。

 

そうすると一人でいるほうが楽。

 

でも、私がそうやってふてくされているあいだ、クラスメートたちはお互いの家を行き来して、楽しい時間を過ごしてる。

 

翌日、学校に行けば「昨日さ〜」「あれ面白かったよね〜」と、私の知らない思い出を語る姿を見なくちゃいけない。

 

だから、休み時間が嫌いだった。

 

いつしか友だちは敵になった。

そんな幼少期を過ごした上に、学習障害ADHDなので、人と関係を築くのが困難だった。

 

「みんな私を馬鹿にしてる」、「みんな私を消えろって思ってる」、そんな気持ちを抱えながらも、ピエロのようにおどけたり、家から漫画を学校に運んだりしてた。

 

休み時間と放課後が嫌いなのは変わらず、授業の終わりを知らせるチャイムと同時に保健室に逃げ込み、終礼後は敵陣から基地に戻るようにダッシュで家に帰ってた。

 

「どうせ、みんな楽しいことするんでしょ、私抜きで」

 

こんな気持を抱えながら。

 

長い間ずっとふてくされているんだ

先日、ふと、そこにたどり着いたものがある。

それは「あぁ、私はずっと誰かの1番になりたかったんだ」ってこと。

 

そんな学生時代を過ごしてきた私にでも、友だちはいた。

でも、私の求めていた「友だち」っていうのは、唯一無二の親友だった。

 

周囲が認める、「◯◯ちゃんと言えば△△」、「△△と言えば◯◯ちゃん」、こういうもの。

 

でも、私は友人たちのそういった存在にはなれなかった。

 

 

それが悲しくて、私はずっとふてくされているんだ。

 

もうちょっとだけふてくされたい。

大学を卒業して、仕事を含めた色々なことをきっかけに友だちが増えた。

毎月「山家会」という、私を中心にした友人たちが集まる飲み会も開催してる。

結婚パーティーには50人以上の友人が参列してくれた。

すごく幸せなことだ。すごく嬉しいことだ。

 

でも、まだ、私は「誰かの1番」を求めてる。

 

そして、まだ、「私の知らないところで楽しいことをしてる」、「みんな裏で私を蔑んでいる」と思ってる。

 

そう思い続けることは彼らにとって失礼なことだっていうのはわかってる。

 

でも、もうすこしだけ、ふてくされさせてほしい。

 

もう少し、自分に自信を持てたら、きっと「誰かの1番」を目指さなくなると思うんだ。

 

だから、あと、ちょっとだけ。