いつだって心にはガンダーラ
10人の幼児との生活がスタートして、気づけば3年の月日が流れようとしています。
幼児と喧嘩して泣かされたことも、なんか臭いなと思ったら膝の上にう○こ様が鎮座されていたのも昨日のことのようです。
約3年の間、私が大切にしていること、それは「細かく説明する」ことです。
子ども相手にはざっくばらんに「おに」「おばけ」とか言ってしまいがちですが、私は「鬼という得体のしれない角の生えたものがくるよ」とか「死んだ人の霊が来るよ」と言うようにしています。
なぜなら、子どもだとしても一人の人間だからきちんと説明しないと失礼だと考えるからです。
最近、10人の幼児たちのなかで「西遊記」がブーム。
私がガンダーラを口ずさんでいると、「なにその歌」と言われたので「まちゃあきが出ていた西遊記のエンディングテーマ、ゴダイゴのガンダーラという曲です」「え、西遊記ってなに」「猿がお坊さんと猿とかっぱと天竺を目指す話です」「なにそれ、おもしろそうじゃん」というきっかけでブームが到来。
それから何をするにもBGMはガンダーラ、読む絵本は西遊記。
こんなことになって数週間経ちました、もう飽き飽きしている私。
10人の孫悟空は私を牛魔王に見立て暴力の嵐。
そんななか一人の子どもが私に質問してきました。
「ねぇ、天竺はどこにあるの?」
「(おっとこれは想定外の質問だぞ)確か、インドですよ」
「インドって何が美味しいの?」
「インドはカレーかな、ご飯じゃなくてナンを主に食べるですよ」
「天竺では美味しいカレーとナンが食べれるのか!よっしゃぁあああ!」
カレーという単語に弱い幼児。
ごっこ遊びのなかでも『得体のしれない場所』だった天竺が『美味しいカレーを食べることができる場所』という認識に。
その後、三蔵法師役になる子が現れるように、そして「さぁ、カレーを食べに天竺に行きますよ!」と仲間たちに声をかけます。
すると9人の孫悟空が「ナンもありますか!!」という返答で盛り上がる日々。
ゴダイゴの名曲から天竺がインドであることを覚え、おいしいカレーが食べられることも覚えた10人の幼児たち。
こうやってどんどん大きくなるのはさみしいなぁと1人しみじみ。
「いつか大きくなったらカラオケで一緒にガンダーラ歌おうね」とお誘いしたら
「えーそのころにはあきちゃん死んでるよ!あはは」と言われました。
あたしゃ一人で歌うよ、ガンダーラ