まだまだ、おこさまらんち

顔色が悪いだけの人生

エマ・ワトソンに黄色いドレスを奪われて開けた3本のビールと謎のフルーツ

DL276 デトロイト行きのフライト、今アラスカの手前ぐらい。

 

16:30に成田空港を出てから5時間たって、3本目の缶ビールを開けたところ。

 

私のことをよく知る人は「え、酒のんでんの」と思うはず。

 

でもよ、言わせてくれよ。

飲まなきゃやってらんねえんだ。

 

飛行機の楽しみはゆったりのんびり映画を観れるところ。

 

デルタは座席もいいし、映画もよりどりみどりでアメリカにいくときは出来るだけデルタを使うようにしてる。

 

今回もいろんな映画があった。

最新の"Table 19""John Wick 2"、へーこんなのあんだと観る映画を見定めていたら現在公開中の「美女と野獣」が出てきた。

 

アニメや漫画の実写版は好きじゃない。

 

つい最近まで公開していた「ゴースト イン ザ シェル」だって不満だらけ。

 

もともと実写化した映画に原作以上のものを求めることはしないけど、その分スカヨハのおっぱいに期待する。

 

でも、おっぱいがまったく出てこなかったから不満だった。

 

最新映画を観ようと思ったけど気づけば「美女と野獣」に手が伸びていた。

 

開始15分、涙がダラダラでてくる。

 

なんでエマ・ワトソンがこのドレスを着てだよ!!!!!

 

青いエプロンに白いブラウス、茶色のブーツ。

 

しまいには黄色いドレスまで着て野獣と踊ってる。

 

悲しさと怒りで気づけばビールを頼んでた。

 

ラストまでの2時間で2本のビールを開けた。

 

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今よりずっと素直だった幼いころ、叔母がアメリカに留学していた。

 

彼女は帰国するたびディズニーのビデオを大量に持って帰ってきてくれた。

 

そこで出会ったのが「美女と野獣」だった。

 

全編英語で何を言ってるかわからない。でも、ベルがとても可愛くて、野獣も野獣だけどかっこよかった。

 

母に頼んで日本語のビデオを買ってもらったときは擦り切れるほど観た。

 

「いつかベルになりたい」

「黄色いドレスを着て野獣と踊りたい」

 

毎晩そう願ってた。

 

3歳から通っていた英会話スクールでは小学部に上がると英語の名前をつける決まりがあった。

 

母から出て来る名前の候補を全部拒否し、「ベル」にした。

 

それぐらい大好きだった。

 

歳を重ねるとそんなことを言ってる自分が恥ずかしかった。

 

外で遊びすぎて焼けた肌に東南アジア系の顔。

 

こんな私がプリンセスになれるわけない。

 

だから、ベルになりたい気持ちは心の奥にしまい込んだ。

 

中学生のときアヴィリル・ラヴィーンやブリトニー・スピアーズにハマり、赤いスキニーに黒いTシャツを着てた。

 

イギリス留学中に付き合ってた男の子はパンク好きで綺麗なモヒカンだった。

 

"あなた色に染まりたい"私はパンクを聞くようになった。

 

でも、やっぱり、プリンセスになりたかった。

 

「なんでこんな耳に安全ピンつける男と歩いてんだろ

 

「イギリスのプリンセスはオーロラ姫だったけ、ベルはフランスだからなー」

 

と留学中はよく考えてた。

 

恥ずかしい話、26歳になった今でもそう思ってる。

 

「結婚式でドレスなんて着ねえよw」とか言いながら、家でこっそりドレスのカタログをみてる。

 

「白馬に乗った王子様なんていやだw白馬担いでくるぐらいの王子様じゃないと私無理」とか言いながらアリエルに出てくる王子がいつか私の元にやってくると信じてる。

 

でも、現実では、黄色いドレスを着て野獣と踊ってるのは同い年のエマ・ワトソンだった。

 

にくい!

 

私が着たかったんだ、そのドレス!!

 

野獣と踊るためにステップだって散々練習したし、歌の練習だってした。

 

それなのに、なんでおまえなんだよ!!

 

お前、ハリー・ポッターだけでいいだろ!!

 

魔法使えんだろ!!!!

 

滅!!!!!

 

くっそおおおおおおおおお!!!ビールが足りねえ!!!!

 

とわんわん泣きながら映画を観た。

 

アニメだったらよかったんだ。

だってアニメだから。

 

アニメのベルは誰でもない。

 

そう、アニメはアニメのままでいいんだよ。

 

夢を見せてくれるんだったら、最後まで貫けよディズニー!!

 

頼むよ!!!

 

とビールを飲みながらさらにわんわん泣いた。

 

隣に座っている人懐っこいベトナム人の女の子がビール片手にぎゃん泣きする私を心配して「どしたの?」と声をかけてきた。

 

泣きながら思いの丈をぶつけた。

 

そしたら「へー、これでも食べれば?」

 

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なんだよこれ!!!!!

どっから出てきたんだよ!!!

 

「剥いてあげる」

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うまそうてか、うまい。

「よかった、じゃあこれも」

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なんなんだよwwww

レスポサックからどんだけ意味不明なフルーツ出てくんだよww

 

「剥いてあげるね」

 

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なにこれうめえ。

 

「よかったー。あなた他に好きなプリンセスいないの」

 

と聞かれたので「ジャスミンが好き」と答えた。

 

そしたら「アラジンはまだ実写化してないから、悲しまなくて済むね。シンデレラって言ったらどうしようかと思った」と私のために皮をむいてくれた。

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恥ずかしいけどプリンセスになりたいし、ロマンチックな恋に憧れてる。

 

素敵な王子様にお姫様だっこされたいし、片足が飛び跳ねるようなキスもしたい。

 

26にもなってこんなこと言ってる自分が大嫌いだし、大好きだ。

 

ジャスミンの枠はあいてるし、まだまだ諦めないぞ!!!

 

まだ見ぬふり私の王子さま、あなたのプリンセスはここにいます。