まだまだ、おこさまらんち

顔色が悪いだけの人生

悔しいけど大人になってよかったと思う

「子どもでいたい ずっと トイザらスキッズ 大好きなおもちゃに囲まれて 子どもはトイザらスキッズ」

 

今年27歳になる。年なんてとりたくなかった、ずっとこの歌のように子どもでいたかった。

 

レゴやトミカプラレール、大好きなおもちゃに囲まれてずっと子どもでいたかった。

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小学校から大学を卒業するまで、学校が本当にいやだった。

 

中高は私立女子一貫校で一学年100人にも満たないほど少人数。

 

噂は一瞬で周り一瞬で消える。人数が少ないせいかスクールカーストは一目瞭然。

 

私の性格のせいなのか、ADHDだかなのか、学習障害なのか、理由はわからないけどずっといじめられたり、スクールカーストに押しつぶされた。

 

「誰かここから私を出してくれ」と6年間ずっと心の中で叫び続けてた。

 

そんなとき、14歳の夏をイギリスで過ごした。

 

世界中から集う同じ世代の子たち。


人種、性格、思想、全部違うことが前提で「英語」というツールを使ってコミュニケーションを取る楽しさ。

 

トラブルはあったけどいじめなんてもちろん無いし、本当に幸せだった。

 

帰国前日は嗚咽が止まらなくなるほど泣いてスーツケースを窓から投げた。

 

成田までのフライトは「このままトイレにいたらイギリスに戻れるんじゃないか」とトイレに篭り続けた。

 

高校を卒業後、いじめとは無縁になった。

 

でも「学校」を窮屈に感じるのは変わらなかった。

 

年齢でまとめられること、思ってもないことに打つ相槌、全部がいやだった。

 

学校にいる時間を少しでも減らしたくてインターンを始め、自分の時間は大人と関わる時間に全部割いた。

 

大人のなかにいるとなぜか心が落ち着く。だって「子ども」でいることを肯定してもらえるから。

 

「まだわかんないよ」「もう少し大人になったらわかるんじゃないかな」

 

もちろん大人に負けたくないという気持ちはあった。

 

でも、教えてくれる人に囲まれる喜び、知らない世界を見せてくれる喜びは何事にも代えられない。

 

 

社会人になって保育士から転職して企業に入った。本当に辛かった。

 

上司との関係、同僚との関係に参ってしまい円形脱毛症、心的外傷後ストレス障害になった。

 

自分で決めた転職、ずっと憧れてた仕事、頑張らなくちゃいけない。

 

色々なことに押しつぶされてしまった。

 

「ずっと子どもでいれたらきっとこんなことにならなかった」

 

「なんで勝手にとっていく年齢に合わせて大人にならなくちゃいけないんだ」

 

そんなことばかり考えていた。

 

3月に仕事を辞めてすぐにアメリカ行きのチケットを買った。今日でこっちに滞在して20日間が過ぎた。

 

昼食を終えコーヒーを片手に裏庭に出ていると「あれ、大人になったからこうやって逃げられたのか」とふと思った。

 

学校という箱庭は自分じゃ出られない。親に学費を払ってもらい、カリキュラムをこなしていく。卒業しないと将来が無いと言われる。

 

でも、大人は自分で決断して会社を辞められる。将来だって自分で決めることができる。

 

家賃だって自分で払っているし親に対して何か申し訳ないと思う必要もないし、一緒にいたくない友達と一緒に過ごす必要もない。

 

こうやってオハイオ州の僻地まで逃げることができる。

 

「あー大人になってよかった」

 

ずっと子どもでいたい、この気持ちは変わらない。

 

でも、大人もいいよね。悔しいけど。